書籍「知財の理論」

今回は東京大学大学院 法学政治学研究科 田村 善之 教授著「知財の理論」をご紹介します。

本書は、田村先生が過去に執筆された研究論文10件を一冊にまとめたものです。知的財産法の体系書では現行法や過去の判例を解説しますが、本書は特許法と著作権法に関する研究論文をベースにしたもので、立法論も含めた知的財産法に関する政策集と言って良いと思います。

「知財高裁大合議の運用と最高裁との関係に関する制度論的考察」では、専門性で優位に立つ知財高裁と審級で優位に立つ最高裁の関係を論じています。「日本の著作権法のリフォーム論──デジタル化時代・インターネット時代の「構造的課題」の克服に向けて」では、インターネット時代において著作権法が抱えている構造的な課題を明らかにするとともに、長期的な対応策にも言及しています。

本書には、知財専門家を唸らせる論考が多数掲載されています。知的財産法をより深く学びたい方に、是非お勧めしたい書籍です。

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知財の理論

有斐閣「知財の理論」