今回は小泉直樹・田村善之 編「特許判例百選 第5版　別冊ジュリスト No.244」をご紹介します。

言わずと知れた判例百選シリーズ。特許分野では、第4版の発行から7年を経て、待望の第5版が発行されました。

本書には、特許分野の重要判例104件が収載されています。これらの掲載判例は旧版から大幅に入れ替えられたもので、それぞれの項目の解説も一新されています。さらには、令和元年度特許法等改正法をふまえた記述もふんだんに設けられています。このようにアップデートされた本書は、まさに「裁判所における特許法の運用の状況を一望できる」（本書はしがきより）ものとなっており、特許法学習者だけでなく実務家にとっても、傍らに置いておくと役立つ1冊になっています。

なお、第5版では、裁判例の配列が、従来の特許法の条文の体系順から、実際の紛争類型に応じたものへと変更されています。これは、「読者が、各判例を、特許法をめぐる紛争の全体像の中で位置づけながら理解できるように、との意図に基づくものである」（本書はしがきより）とのことです。実際のシーン毎に整理されていることによって、判例を探しやすくなったように感じられます。ぜひ、皆様も本書を手に取って確認していただければと思います。

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特許判例百選 第5版