AIPPI・JAPAN 欧州知財セミナー
「蓋然性および欧州特許庁におけるパラメータの取扱いについて」
当協会では、英国J A KempよりPatrick Campbell 氏(欧州弁理士・英国弁理士)、Tom Carver 氏(英国弁護士)、Stuart Raynor 博士(欧州弁理士・英国弁理士)及び、Martin Jackson 博士(欧州弁理士・英国弁理士)をお迎えして標記テーマに関するセミナーを開催致します。
講演内容は、次の通りです。
1.欧州特許庁における蓋然性に関する考察
【講師】Patrick Campbell 氏
欧州特許庁(EPO)審判部は、欧州の特許制度に「蓋然性」(plausibility)の法理を導入しています。この法理によれば、特許出願は、クレームした発明によって技術的課題が解決されることの蓋然性を示すものでなければなりません。出願後の証拠は、原出願が蓋然性の要件を満たしている場合にのみ考慮されます。今回のセミナーでは、蓋然性の法理の内容と、この法理が欧州における特許出願のドラフティングおよび権利化に及ぼす影響について説明します。例えば、超大型新薬と言われたダサチニブの特許を、化合物の活性の蓋然性を示す証拠がないとして取り消した、審決T488/16 (Bristol-Myers Squibb)についても紹介します。
2.英国最高裁における蓋然性について
【講師】Tom Carver 氏
イングランド特許裁判所も、イングランドの特許制度に蓋然性の概念を取り入れていますが、この概念は特許法に基づくものではありません。英国最高裁が上告を受理したWarner-Lambert v Generics (UK) Ltd and Actavis事件は、蓋然性の概念と、イングランドの特許制度におけるその役割が焦点になっていますが、判決によって、開示の十分性に関する法律が明確になることが期待されます。セミナーでは、判決の内容をお伝えし、その意味合いについても説明します。
3.欧州特許庁におけるクレームに含まれるパラメータの取扱い‐十分性および明確性
【講師】Stuart Raynor 博士
特に十分性や明確性がどのように考慮されるかという点との関連で、EPOには、パラメータの取扱いについて独自の運用があります。パラメータが明確でないため、十分性の欠如を理由に出願や特許に対して異議を申し立てられるケースが増加しています。このような特徴に関して、EPOでは十分性や明確性をどのように考慮されるかという問題は、ドラフティングや権利化に影響を与えることであり、またパラメータに依拠した第三者の案件について争う場合に備えて、理解を深めておくことが重要です。
4.欧州特許庁におけるクレームに含まれるパラメータの取扱い‐範囲の補正
【講師】Martin Jackson 博士
また、欧州特許において追加事項による拒絶を回避するため、どのように範囲を補正したらよいかについても紹介します。
以上のテーマを、具体例を挙げて説明します。
今回のセミナーは、企業知財部や特許事務所にご勤務の方で欧州特許実務に携わっておられる皆様にとって、非常に有意義な内容となるものと思われます。多数の皆様のご出席を頂きたくご案内申し上げます。
※当協会は、弁理士会継続研修の認定外部機関として認定を受けていますと共に、本セミナーについても外部機関研修として申請中ですので、3.0単位が認められる予定です。ご希望の方には受講証明書を発行致しますので、申込の際、弁理士登録番号と共に予め事務局までお申し出下さい。なお、弁理士登録番号と登録のお名前に相違がございますと、単位認定手続きが却下されてしまいますのでご確認くださいませ。セミナー終了後、証明書をお渡しします。
1.開催日時: 平成30年5月18日(金)13:30~17:00
2.会場: 金沢工業大学大学院 虎の門キャンパス13階 1301講義室
(東京都港区愛宕1-3-4愛宕東洋ビル)
(地図) http://www.kanazawa-it.ac.jp/tokyo/map.htm
3.講演者:
英国J A Kemp
Patrick Campbell 氏(欧州弁理士・英国弁理士)
Tom Carver 氏(英国弁護士)
Stuart Raynor 博士(欧州弁理士・英国弁理士)
Martin Jackson 博士(欧州弁理士・英国弁理士)
4.使用言語: 英語→日本語(逐次通訳)
5.受講費: 会員5,000円(会員以外の方10,000円)
※お支払い:当日受付にて現金でのお支払いとなりますのでご注意ください。
※キャンセル:キャンセルの場合は前日までにご連絡ください。
当日のキャンセル及びご連絡がなくご欠席の場合は会費を請求させていただきます。
※代理参加:個人会員の方から代理者を参加させる旨の申し入れがあった場合は、代理者の会員受講費での参加を認めます。参加申込書には参加される方(代理者)の情報をご記入下さい。また、個人会員の方の氏名を参加申し込みフォームの「その他ご要望等」欄にご記入下さい。例)会員○○○○の代理
※金沢工業大学大学院の教員、学生の方々は、上記会員受講費(5,000円)で受講頂けますので、参加申し込みフォームの「その他ご要望等」欄にその旨をご記入下さい。
6.定員: 65名
会場の都合により、定員になり次第締め切らせて頂きますので、予めご承知おき願います。
☆セミナーで撮影した写真は報告書等で使用することがございますので、予めご了承ください。