2018年10月25日(木) AIPPI・JAPANセミナー

AIPPI・JAPANセミナー
「欧州における権利化:EPO vsドイツの二者択一と二重保護について」

当協会では、ドイツのMichalski • Hüttermann & Partner Patentanwälte mbBよりAloys Hüttermann 博士をお迎えして標記テーマに関するセミナーを開催致します。
講演内容につきましては、以下の項目について事例を用いながら具体的に説明すると共に、戦略の側面も併せてご説明する予定です。

1.EPO vsドイツ‐権利化のための費用および方式に関する比較について
ドイツは欧州における最大かつ最も重要な経済大国であり、欧州特許庁(EPO)へ出願する代わりに、ドイツのみで出願するという選択肢も考えられますが、手続や書類に関して考慮をしなければいけない事項として、例えば、ドイツ語への翻訳および期限、費用、ドイツ国内特許は統一特許裁判所(UPC)には提訴できないこと等について解説します。

2.実体法における相違点
欧州特許法は主としてドイツ法をベースにしているため、ドイツとEPOの権利化手続はよく似ていますが、以下の様に考慮しなければいけない重要な相違点もありますので、これらの点について説明します。
– EPOにおける権利化手続は公理的であるのに対し、ドイツは公理よりも法規定を重視。
– 公理的な観点から、進歩性や明細書のサポート要件に対するEPOのアプローチは非常に厳格なものになり、ドイツも同様の場合が多いが、特にサポート要件については、ドイツの方が寛容な場合がある(ドイツ連邦裁の重要判決「Teilreflektierende Folie」を参照)。
– EPOは一般名称の使用に関して非常に厳しく、特に医薬とバイオの分野では、「抗体の例外」を認める以外、一般名称は通常認められないのに対し、ドイツでは寛容なアプローチが取られることもあり、DPP4という物質に関する重要判決がある。
– EPOでは2016年、2017年あたりから「蓋然性」すなわち、化合物の進歩性(予期せぬ効果)は、出願時点から蓋然的でなければならない、という概念を一部の審決に導入している。これは「記載要件の裏口からの導入」と呼ばれているが、現時点でドイツが後に続く兆候はない。

3.手続に関する参考情報についての紹介
– 欧州特許出願を分岐させて、ドイツで実用新案を登録できること。
– オプトアウトしていないすべての欧州特許がUPCの管轄になれば、ダブルパテントの禁止が解除されるため、非常に重要な特許については、ドイツとEPの両方で出願することも検討の余地があること。

本セミナーは企業知財部や特許事務所にご勤務の方で欧州特許実務に携わっておられる皆様にとって、非常に有意義な内容となるものと思われます。多数の皆様のご出席を頂きたくご案内申し上げます。

※当協会は、弁理士会継続研修の認定外部機関として認定を受けていますと共に、本セミナーについても外部機関研修として申請中ですので、3.0単位が認められる予定です。ご希望の方には受講証明書を発行致しますので、申込の際、弁理士登録番号と共に予め事務局までお申し出下さい。なお、弁理士登録番号と登録のお名前に相違がございますと、単位認定手続きが却下されてしまいますのでご確認くださいませ。セミナー終了後、証明書をお渡しします。

1.開催日時:2018年10月25日(木)13:30~17:00

2.会場: 尚友会館 8階 1号+2号会議室
(東京都千代田区霞が関3-3-1)
(地図)http://www.its-mo.com/c/%E5%B0%9A%E5%8F%8B%E4%BC%9A%E9%A4%A8/ZIDX_BLD%2C7-22-50-415-5019735/access/

3.講演者:Michalski • Hüttermann & Partner Patentanwälte mbB
Aloys Hüttermann 博士

4.使用言語: 英語→日本語(逐次通訳)

5.受講費: 会員5,000円(会員以外の方10,000円)
※お支払い:当日受付にて現金でのお支払いとなりますのでご注意ください。
※キャンセル:キャンセルの場合は前日までにご連絡ください。
当日のキャンセル及びご連絡がなくご欠席の場合は会費を請求させていただきます。
※代理参加:個人会員の方から代理者を参加させる旨の申し入れがあった場合は、代理者の会員受講費での参加を認めます。参加申込書には参加される方(代理者)の情報をご記入下さい。また、個人会員の方の氏名を参加申し込みフォームの「その他ご要望等」欄にご記入下さい。例)会員○○○○の代理

6.定員: 60名

会場の都合により、定員になり次第締め切らせて頂きますので、予めご承知おき願います。
☆セミナーで撮影した写真は報告書等で使用することがございますので、予めご了承ください。